この制度の問題点があぶり出されつつあるはずですが、開始前のような議論が起きないのが不思議です。
今年4月に発足した「裁判員制度を問い直す議員連盟」のその後の動向も全く聞かれなくなってしまいました。活動は続いているのでしょうか?
議連が提出した「12の論点」を再掲します。
(保坂展人のどこどこ日記 裁判員制度を問い直す議員連盟緊急総会の報告 より)
1、思想信条による辞退や、面接時の陳述拒否が認められない。
2、守秘義務違反や虚偽陳述の罰則が重すぎる。
3、無罪判断でも強制的に量刑評議に参加させられる。
4、死刑判決を全員一致ではなく多数決で行なう。ため反対した者が死刑宣告を下したことによる自責の念にひどく囚われるおそれが高い。
5、裁判員裁判を受けるか否かの選択権が被告人にない。
6、取り調べの可視化が実現していず、世界的に批判の強い代用監獄が存置されている。
7、公平な裁判のための条件が整っていない(ディスカバリー、公判前に沢山の情報に整理手続で接した裁判官と、初めて接する裁判員との情報格差による誘導の危険性)。
8、放火殺人など重大事件が対象となっており、裁判員は短期間で死刑か無期懲役かといった重大な選択を迫られることになる。
9、裁判員への刑事裁判の原則(例:無罪推定や予断排除など)の説示を公開の法廷で行なうことが義務付けられていない。
10、部分判決制度は裁判員制度に馴染まない(全ての手続に参加している裁判官の判断を追認するだけになる危険大)
11、拙速審理への懸念が払拭されていない。
12、国民への最高裁や法務省からの一方通行の広報宣伝活動ばかりであり、国民からの批判を受け止め改善する場が設けられていないに等しい。
裁判員裁判で以上のような論点がクリアされているとは、とても言いがたい状況です。
検察側の対策が功を奏しているようで、まだ、重大な判決が出されるような裁判は行われていませんし、メディアの好意的な報道によって、問題点はますます見えにくくなっています。報道自体も減っており、国民の関心は徐々に薄れてきている様にも思います。
今年も12月には新たに来年用の「裁判員候補者名簿」に登録された方に「名簿記載通知」が届きます。今はまだ出ていない「死刑判決」も、いずれ出される時が来ます。このまま、なんとなく続けてしまって本当に良いのでしょうか?
