その後とお詫び

当blogでは5月13日以降、性暴力事件が裁判員裁判の対象になることで起きる弊害、特に選任手続きにおける被害者プライバシーが守秘義務のない候補者に開示される問題を中心に取り上げてきました。 これまでの主な動きを、色々な方がまとめてくださっています。 ■Gazing at the Celestial Blue 「裁判員制度における被害者のプライバシー確保を求める要請」その後 ■キリンが逆立ちしたピアス(現在、休止中) 性犯罪被害者氏名開示問題についてのまとめ ■かめ? 裁判員制度における被害者のプライバシー保護問題、その後 当blogの関連記事(日付順)も紹介しておきます。 裁判員制度に新たな問題点が浮上 http://akiras-room.seesaa.net/article/391808378.html 裁判員選任手続き 問題は複雑 http://akiras-room.seesaa.net/article/391808382.html 【緊急】裁判員選任手続きに関する署名のお願い(追記あり) http://akiras-room.seesaa.net/article/391808387.html 署名の御礼 http://akiras-room.seesaa.net/article/391808388.html 被害者のプライバシーは本当に守られるのか(1) http://akiras-room.seesaa.net/art…

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裁判員裁判に持ち込まれる「お茶の間裁判」の危険性

タイトルがいささか扇情的かもしれませんが。 裁判員選任手続き期日(当日のことです。法律用語はわかりにくいですね)に、被害者のプライバシーが守秘義務のない候補者にも知られてしまう可能性が大きい(と、私は未だに思っています)という問題についてここのところずっと書いています。 刑事訴訟法が改正され性暴力事件では被害者等に関する情報保護の制度の適用はもちろん、詳しい犯罪場面の描写や証拠品の提示の時は、傍聴人に退廷が命じられることもあると聞きます。それは、ただ被害者の心情を考慮してというだけでなく、過去に、心ない一部の傍聴人が被害者のプライバシーを漏洩するなど実害があったからに他なりません。 選任手続きに召還された候補者の中に、このような者がいないという保証はなく、いくら個別具体的に検討してどの程度情報を出すかを判断するといわれても、とうてい安心できるものではありません。 性暴力犯罪が裁判員裁判の対象事件となることで、選任手続き以外でも被害者にとって今以上の苦痛を味わうであろう事態が予想されます。今日は、少し視点を変えて、その辺のことを書いてみようと思います。

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被害者の安全とプライバシー保護を求める緊急アクション第2弾

昨日、最高裁に申し入れを行ってくださったアジア女性資料センター様が、緊急アクションの呼びかけを行っています。 性犯罪被害者の安全を保障しないまま裁判員制度を開始しないで! 被害者の安全とプライバシー保護を求める緊急アクション第2弾 性犯罪被害者の安全を保障しないまま裁判員制度を開始しないで! 被害者の安全とプライバシー保護を求める緊急アクション第2弾        あす21日12:00~13:00 最高裁前に          メッセージをもって集まろう! 裁判員制度の対象となる事件のうち、性犯罪は約2割にのぼりますが、裁判員選任手続きにおいて、性暴力事件被害者の氏名など個人特定情報が、守秘義務のない裁判員候補者に開示されてしまうことが明らかになりました。最高裁は、一定の配慮は行うとしていますが、個人特定情報の漏洩を防ぐために十分な措置を検討しておらず、対応は各地裁まかせとされています。 19日には、このことに強い懸念を抱く被害者支援団体など52団体844個人が、最高裁に対して申し入れを行い、具体的な代案も提示しましたが、最高裁は、なんら具体的な回答や説明を行いませんでした。このまま裁判員制度が開始されてしまえば、被害者に二次被害が及ぶ懸念は避けられません。社会的偏見のために被害にあってもますます被害届を出しにくくなってしまうことが懸念されます。被害者や支援者の声に耳を傾けようとせず制度開始を急ぐ裁判所に抗議し、被害者の安全とプライバシーを確保し二次被害を防ぐ…

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被害者のプライバシーは本当に守られるのか(2)(追記あり)

被害者のプライバシーは本当に守られるのか(1)の続きです。 「どこまで開示するかは、事件を担当する裁判所にゆだねられている」つまり、それぞれの地裁に聞けということなので、福岡地裁にも電話をしました。 Q.裁判員選任手続きにおいて、被害者の個人情報はどこまで開示されるか? A.事案によって違う。担当裁判官の判断によっても変わると思う。 詳しくは、確認して後日回答するということで(やはり、すぐには答えられないと期日を引き延ばされましたが)21日の約束を取り付けました。 そして、法務省の「法務省刑事局総務課裁判員制度啓発推進室」にも。 まずは、5/6付けの読売新聞の記事を読んで電話していることを告げた上で、裁判員選任手続きで事件の概要説明がされる時に被害者の住所、氏名など情報も開示されると聞いているが本当ですか。と質問しました。 「そうですね。被告人、被害者の情報も含め、どのような事件で起訴されているかという説明がされます」との答えが。 性暴力犯罪の場合もですか?公開の裁判では、被害者の個人情報は申請すれば保護されるという法律との整合性がなくなるのではないですか?と聞くと。 しばらく「そうですよね、う~ん」と悩んでいらっしゃいましたが。 「被害者の方の心情を考えて、申請された方の情報は出さないのではないでしょうか」との答え。 しかし、事件概要説明のあとの質問票に「この事件関係者ですか」という質問がある以上、情報がないと答えられないのではないですか?と…

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被害者のプライバシーは本当に守られるのか(1)

5月13日に読売新聞の記事「性犯罪被害者名も裁判員候補に開示、情報流出懸念の声」を紹介してから1週間がたちました。 お陰様で大きな反響があり、賛同してくださる方達に支えられ今まで続けることができました。 署名活動が終わり要請書も無事提出され、一段落ついた感がありますが、まだ、事態は膠着したままです。 最高裁に申し入れが行われたすぐあとに、最高裁のこの件についての「最終的な回答」を手にしました。 まずは、最高裁から最終的な回答を直接受け取った(ご協力いただけませんかさん、あらため)てんとうむしさんからいただいたメールを引用します。(ご本人の了解はいただいています) 5/19 最高裁からの回答 性犯罪事件など、被害者の方のプライバシー保護をはかる必要性が高い事件においては、選任手続期日において、裁判員法17条および18条の不適格事由の該当性の判断の必要性と被害者のプライバシー保護の必要性の双方の観点から、被害者特定事項の提供の方法および程度を慎重に検討することになります。 具体的には、個別の事件を担当する裁判所の判断になりますが、たとえば性犯罪の犯行場所が被害者の自宅であるような場合には住所を知らせないといった工夫が考えられます。 また、裁判員候補者全員を対象としたオリエンテーションにおける事件概要の説明においては、必要最小限の範囲で情報提供をするにとどめ、必要に応じ個別質問で、被害者とその裁判員候補者とのあいだに裁判員法17条所定の一定の関係があるかどうかをさらに…

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