2009年05月20日

被害者のプライバシーは本当に守られるのか(1)

5月13日に読売新聞の記事「性犯罪被害者名も裁判員候補に開示、情報流出懸念の声」を紹介してから1週間がたちました。


お陰様で大きな反響があり、賛同してくださる方達に支えられ今まで続けることができました。
署名活動が終わり要請書も無事提出され、一段落ついた感がありますが、まだ、事態は膠着したままです。

最高裁に申し入れが行われたすぐあとに、最高裁のこの件についての「最終的な回答」を手にしました。

まずは、最高裁から最終的な回答を直接受け取った(ご協力いただけませんかさん、あらため)てんとうむしさんからいただいたメールを引用します。(ご本人の了解はいただいています)
5/19 最高裁からの回答

性犯罪事件など、被害者の方のプライバシー保護をはかる必要性が高い事件においては、選任手続期日において、裁判員法17条および18条の不適格事由の該当性の判断の必要性と被害者のプライバシー保護の必要性の双方の観点から、被害者特定事項の提供の方法および程度を慎重に検討することになります。
具体的には、個別の事件を担当する裁判所の判断になりますが、たとえば性犯罪の犯行場所が被害者の自宅であるような場合には住所を知らせないといった工夫が考えられます。
また、裁判員候補者全員を対象としたオリエンテーションにおける事件概要の説明においては、必要最小限の範囲で情報提供をするにとどめ、必要に応じ個別質問で、被害者とその裁判員候補者とのあいだに裁判員法17条所定の一定の関係があるかどうかをさらに確認するといった方法も考えられます。
いずれにせよ、裁判員候補者に対しては、被害者特定事項につき口外しないよう依頼することはもちろん、被害者特定事項については、筆記しないよう求めることが考えられます。


そして、最高裁から一定の方針は示さないとのことでした。
なお、この回答は電話で行われ、一方的に文章を読み上げるような形だったそうのだです。それを懸命に書き取って送ってくださったのが上記のメールです。
てんとうむしさんはFAXで良いので文書での回答を求められたそうですが、断られたということでした。

また同時に、性犯罪に関して選任手続きを延期する、もしくは性犯罪を裁判員制度の対象外にする、ということを検討することを要望として伝えましたが「意見としては受け取れるが、裁判所は検討できる立場にない」「要望を受け取って法律を変える立場にない」という答えだったそうです。


「最終的な回答」と表現したのは、13日の朝にてんとうむしさんは最高裁に読売の記事についての問い合わせをしていたからです。その時には曖昧な回答に終始し、後日回答をしますということで連絡があったのが昨日(19日)でした。

最初に問い合わせたときの様子も、その日のうちにメールで連絡を受けていました。

てんとうむしさんの問い合わせに対応したのは広報課の方(仮にAさんとします)でした。読売の記事の件は本当なのかと聞くと、Aさんは記事を知らずその場でネットで確認したとのこと。
そして、記事の内容について最高裁判所としての回答はすぐにはできないと言われたあと一旦電話が保留になりました(誰かと相談していたと思われます)。

その後てんとうむしさんは質問を変え「裁判員候補者に被害者の情報(氏名、住所、年齢、肩書きなど)をどこまで伝えるのか」「事件の概要はどういうふうに伝えるのか」また「21日開始なのだから、それについては決まっているのではないか」と問うと、それについての回答だけでよければ、とまた待たされたそうです。

ところが、保留後は、歯切れが悪くなり、今すぐには答えられないとのこと。「アウトラインくらいはあるのでは」との問いに「個々の事案によって違う」というあいまいな返事。
結局、要領を得ず、回答を10日ほど待ってくれというAさんを説得し19日に回答するという約束を取り付けて電話を終えたそうです。

読売新聞の記事とてんとうむしさんの話、また最高裁判所HPなどの情報から重大な問題であると判断し、急遽アップしたのが13日の記事「裁判員制度に新たな問題点が浮上」です。

その後、てんとうむしさんからの情報提供を元に続報の発信を続けてきましたが、私は直接関係機関への問い合わせなどはしていませんでした。昨日やっと数カ所に電話で問い合わせをしました。

まずは、最高裁判所へ
たいした質問はしていないのですが、回答は歯切れが悪く質問をするたびに電話が保留になったのはてんとうむしさんの時と同じです。
マスコミの方ですかと聞かれたので、被害者支援をしていること、この件をネット上でとりあげて問題にしている事を告げました。
会話の要点は以下のようになります。

Q1.選任手続きの際に被害者の個人情報がどこまで候補者に開示されるのか?
 A.どこまで開示するかは、事件を担当する裁判所にゆだねられている

Q2.最高裁判所として、何らかの方針や指針を出す予定はあるか?
 A.現時点ではない

曖昧な返事しか返ってこないので、
共に動いている人が、Q1に関して13日に問い合わせている。19日に回答をいただくことになっている。もう回答は出ているのではないか?と聞くと「問い合わせに、こちらから電話をして回答することはあり得ないのですが」といわれた後しばらく待たされました。
しばらくして「問い合わせを受けた担当者(Aさん)が見つかりました。何時になるかは分からないが、今日中に必ず電話します」とのことでした。たったこれだけのことに30分以上の時間を費やしました。
(私が電話した直後に、Aさんはてんとうむしさんに電話したという事実を付記しておきます)

その2につづく)


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中日新聞にあった
Excerpt: 昨年08年11月27日の中日新聞にあったのですが、 裁判員制度に、性被害にあわれたかたへの配慮がないことが、 このときすでに取りざたされていたのでした。 『みどりの一期一会』、08年11月28日エン..
Weblog: たんぽぽのなみだ??運営日誌
Tracked: 2009-05-21 21:30