問題だらけの裁判員制度

素人の私が考える問題点と疑問点をいくつか

●なぜ重大事件で裁判員制度なのか?素人に判断できるのか?

そもそも、裁判員制度を導入するかどうかの議論が、いつ頃からどのような経緯で発生してきたのか不勉強な私には分かりません(撃沈)。しかも、なぜ凶悪事件なの?というのが一番大きな疑問です。

最高裁HPのQ&Aには、その理由として次のような説明があります。

刑事裁判は,全国で毎日行われており,平成18年には地裁だけで10万件以上の刑事事件の起訴がありました。すべての刑事事件に裁判員制度を導入すると国民のみなさんの負担が大きくなるため,国民のみなさんの意見を採り入れるのにふさわしい,国民の関心の高い重大な犯罪に限って裁判員裁判を行うことになったのです。

国民の負担を軽くするためなの・・・?

裁判員制度で裁判員が扱う事件は、一定の重大な犯罪であり,例えば,殺人罪,強盗致死傷罪,現住建造物等放火罪,身代金目的誘拐罪,危険運転致死罪などがあります。
参照:裁判員制度の紹介 
http://www.saibanin.courts.go.jp/introduction/index.html

裁判員が取り扱う事件は死刑判決や無期懲役が出る可能性もある重大事件です。その事実認定や量刑までも決めなければなりません。
光市事件の記事でも事実認定がいかに難しいか書いたのですけど。
「傷害致死」「強盗致死」「強姦致死」「保護責任者遺棄致死」と「殺人」の違いは被告人に「殺意があったかどうか」だと思うんですけど、被告人が殺意を否認している事件で、証拠や証言から殺意の有無を判断するなんて事が素人にできるんでしょうか?
また、最近地裁判決が出た「渋谷バラバラ殺人事件」と「妹バラバラ殺人事件」では、犯行時の精神状態(精神鑑定)が争点となり、2つの事件では全く逆とも言える判決が出ました。プロの裁判官でも、これほど判断が分かれるのに素人に判断ができるのかと思います。

●そもそも、一般市民は刑事裁判制度を理解しているんだろうか。

光市事件弁護団に対する懲戒請求が相次いだことで、刑事裁判に対する一般市民(一部)の関心が高まったのは、裁判員制度導入の是非を議論する上では良かったと思います。
かの議論は今でも一部の掲示板などで続いているようですが、未だに「刑事裁判は被害者のためにある」と豪語する方も見受けられます。
刑事裁判の当事者は、あくまでも検察官と被告人です。つまり国家vs被告人の争いの場なのですね。弁護人ですら被告人の代理人にすぎません。
光市事件以降、弁護人vs被害者遺族のような構図になってしまい、(マスコミの報道や懲戒請求を煽った「あの弁護士」の責任は重いと思う)市民の多くも、そういう誤解をしている方が多いようです。
(私も理解できていたかと言われると・・・。この事件のお陰で多くのことを学びました)

●マスコミ報道の影響

裁判員の呼び出し状にどういった事件か書いてあるわけではないでしょうが、呼び出し状は1ヶ月から1ヶ月半前には届くため、地元で2ヶ月ぐらい前(起訴から裁判までおよそ3ヶ月といわれています)に起きた事件と見当を付けたり、地裁に当日の公判予定を問い合わせれば、自分がどの事件を担当するか知ることも可能でしょう。・・・で、事前に情報を集める人も多いかもしれません。(たぶん私は、やってしまいそう。爆)

また、上の項目でも触れましたが、重大事件に対するマスコミの報道は扇情的で、ミスリードや事実の歪曲も見られます。裁判員は公判中も、アメリカの陪審員のように隔離され情報をシャットアウトされるわけではありません。予断の元になるような情報にさらされ放題なのです。

●被害者参加制度と裁判員

被害者が刑事裁判に参加できる制度(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律)が年内には始まります。(私自身はこの制度に反対です)
先に書いたとおり、限段階では裁判員全員が刑事裁判に対する正しい知識を持ち合わせているとは限りません。
そういった裁判において、被告人vs被害者(遺族も含め)という構図を持ち込むことで、いっそう裁判員の感情が刺激されるでしょうし、本当に公正な判断ができるのだろうかと、ひたすら不安が募ります。

以上、公正な裁判ができるのかという視点から書いてきました。
長くなりましたので、国民の負担がどれほど大きいかについては次の記事で。

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この記事へのコメント

  • 西谷裕司

    裁判員制度は問題だらけです。3日で判決が下せるなら、じゃあ麻原裁判でどうして10年も掛かったのか?新党日本の田中代表は「おかしな事でも決まった事だからやる。それだったら諫早湾の干拓と同じ!」と非難しています。裁判官はゴキブリと同じです。手塚治虫は「ゴキブリは人間から嫌われているが他の動物からは生きる権利は認められている。人間が滅亡してもたくましく生きていく。」と言ってました。その通りですよ!
    2009年11月02日 18:41
  • akira

    >西谷裕司さん
    はじめまして(ですよね)。コメントありがとうございます。

    >裁判官はゴキブリと同じです。

    ずいぶんと過激ですね。
    私は裁判官の中にはゴキブリ並みのやつもいるかもしれないとは思いますが、裁判官すべてがゴキブリだなんて思いませんよ。他の職業の人あるいは職業に就いてない人の中にもゴキブリ並みの人はいますしね。
    2009年11月03日 23:12
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